2010年5月31日月曜日

iPadの電子書籍を片っ端から試してみた。やはり、電子書籍はまだまだこれからだ。

AppStoreの無料トップ200アプリの中から電子書籍を手当たり次第に片っ端から試してみた。

その結果、一口に「電子書籍」といっても様々だということがわかった。カテゴライズしてみると、こんな感じだ。

・書籍統合型
・雑誌統合型
・新聞統合型
・マンガ統合型
・なんでも統合型
・アプリ単体の書籍
・アプリ単体の雑誌
・アプリ単体のマンガ
・アプリ単体の写真集
・リアルな本を売るためのアプリ
・写真・ニュース統合型
・PDF・ZIP書籍ビューアー


書籍統合型

「iBooks」:
これについては記事を単体で書いた。
琴線探査: 期待のiPadアプリ「iBooks」はまだイマイチか

「Kindle」:
これについては記事を単体で書いた。
琴線探査: iPadのもうひとつの電子書籍アプリ「Kindle」はどうなのさ


雑誌統合型

「TIME Magazine」:
少しは立ち読みできるかとおもったら、「Preview Issue」で内容のサムネイルがタイルリスト表示されるだけ。


新聞統合型

「産経新聞HD」:
言わずと知れた産経新聞アプリのiPad版。今は無料だけど、ゆくゆくは1500円になるらしい。有料になるなら、バックナンバーも読めるようになっていただきたい。Powered by YAPPA。

「BBC News」:
新聞社でなく放送局だと思うけど、それだけに「紙面」という観念が薄いらしく、逆に情報が整理されていて見やすい。広告が結構デカく表示されてる。クリックすると内蔵ブラウザが立ち上がるっぽいけど、内容が白紙(^^);

「THE WALL STREET JOURNAL」:
紙面の写真が、写真としてだけでなく、ビデオに対するリンクになっている。UIが分かりづらい。広告が邪魔な感じで表示される。広告がイキナリ全面広告になる。頻繁に「Subscribe Now」が出る(^^);

「Financial Times」:
レイアウトがiPadに最適化されている印象。見出しのページがたくさんあって、それぞれの記事をタップして詳細を読む形式。記事の詳細は金を払わないと3つまでしか読めないらしい。有料部分と無料部分を分ける方法として、なかなかの工夫がされていると思う。広告タップでフルスクリーン表示。

「AP通信」:
トピックがカードみたいになっていて、それをタップすると記事の詳細が読める方式。TwitterやFacebookとの連携あり。ウザイ感じで広告がイキナリフルスクリーン表示。


マンガ統合型

「MARVEL comics」:
これスゴイわ。まず無料でX-menとか見られる。英語だけど。そしてフルカラー。最もスゴイのは、マンガ1ページ表示に加えて、コマごとのフルスクリーン表示ができるところ。これは新しい電子マンガの一つの形を見た。紙の媒体をいかに電子の媒体に落とし込むべきかを提示していると思う。このUIはマンガだけでなく、雑誌や新聞にも応用可能と思う。


なんでも統合型

「comion」:
マンガだろうが、雑誌だろうが、小説だろうが、なんでもありのソーシャルパブリッシングプラットフォームと言えるだろう。誰でも、というところがポイントだ。Twitterとの連携による口コミの連鎖もありそう。ピンチの動作が少々アヤシイ。


アプリ単体の書籍

「Alice Lite」:
背景やレイアウトが美しい。挿絵がアニメーションしたり、動かせたりする。子供たちは大いに喜ぶだろう。

「Toy Story」:
動く、喋る、塗り絵ができる、音楽聞ける、ゲームもできる・・・と何でもアリな電子書籍。これも子供たちは大いに喜ぶだろう。今回見たなかでは、これがイメージしていた未来の電子書籍に一番近い。ただ開発コストは本以上にかかると思われ。しかしこのクオリティーなら、電子書籍というカテゴリーを超えて、少し高くても「おもちゃ」として十分買い与えたいレベル。しかし、動作がちと重い。

「Guinness World Record」:
ギネスのアプリ。読みやすくデザインされているものの、UIが独特で少々分かりづらい。文章、写真、ビデオ、統計などの情報が見られる。まだコンテンツが完璧でないようだけど、楽しく見られる電子図鑑の好例になるのじゃなかろうか。

「関根麻里の英会話」:
英会話学習電子書籍。写真集か?と思うところも。英語のフレーズを音で再生できる。恐らくご本人によるものと思う。英会話のように音を扱うものは、電子書籍には向いていると思った。


アプリ単体の雑誌

「GQ May 2010」:
表紙がビデオなのが印象的。読めるのは目次まで。その先は即「このページは有料になります。¥350購入しますか」(^^); Powered by YAPPA。

「VOUGE」:
表紙がビデオなのが印象的。読めるのは目次まで。その先は即「このページは有料になります。¥450購入しますか」(^^); Powered by YAPPA。

「OZ Magazine」:
基本的にスキャンされた画像のスライドショー。多分限定サービスだと思うけど、おそらく全部読めてしまう。Powered by YAPPA。

「Metro min.」:
基本的にスキャンされた画像のスライドショー。多分限定サービスだと思うけど、おそらく全部読めてしまう。Powered by YAPPA。

「BMW Magazine」:
画像のスライドショーというより、アプリ用に完全にレイアウトされているという印象。上方向にスワイプするとサムネールが出てジャンプ可能で、下方向にスワイプすると目次が出るという興味深いUI。


アプリ単体のマンガ

IKKI COMIX ナンバーファイブ 松本大洋:
基本的にスキャンされた画像のスライドショー。インターフェースもほぼなし。


アプリ単体の写真集

「三好和義「楽園」写真集 #1」:
当然ながら、基本的に画像のスライドショー。さすがに写真が美しく、キャプションも少し表示される。写真集はアリじゃないかと思った。ただ、もう少し工夫が必要かもしれない。


リアルな本を売るためのアプリ

「楽天雑誌チラ読み」:
デジタル形式で各種雑誌を立ち読みできる。表紙、目次と内容もちょっと読める。リアルな雑誌を売るための、広告のひとつと考えられる。購入手続きは、アプリ内で開くブラウザによる楽天サイト。クレジットは見当たらなかったけど、インターフェースを見ると多分Powered by YAPPA。


写真・ニュース統合型

「日刊スポーツ」:
写真モードでは、写真がランダムに飛んできて、タップすると記事が読める。リストモードでは、記事の見出しのリストが出て、タップすると内容表示。各記事ごとにTwitterのRTが表示される。なぜか天気や占いもあり。


PDF・ZIP書籍ビューアー

「Bookman」:
これは電子書籍ではなく、電子書籍ビューアーだ。UIも基本的にボタン式で、スワイプやズームなどの機能もない。しかし、必要十分。iTunesのアプリタブのファイル共有からPDFなどを簡単に転送できる。アプリを作らなくても個人が手軽にiPad上で読める書籍を作れるという意味で、これは素晴らしい。


まとめ

電子書籍といっても様々で、まだまだフォーマットも売り方も固まっていないようだ。

今後ユーザビリティ面・ビジネス面のバランスをとったUIを確立させて、リアルな本を読むように、誰もが簡単に情報にアクセスできるようになる必要があると感じた。

気になったのは、新聞系は広告も載せているのに購読を促すプレッシャーが多いことと、日本の雑誌はあまりにもPOWERED BY YAPPAが多いということ。

また、comionのような、ソーシャルパブリッシングプラットフォームは今後可能性があると感じた。

今のところ、電子書籍として優秀なのはToy Story、Alice、MARVELだろうか。特にMARVELのUIは素晴らしい。少なくとも、電子マンガの基本フォーマットとして採用できると思う。