期待のiPadアプリ「iBooks」はまだイマイチか

iPadが世間で注目されている一つの側面として、電子書籍がある。そこで、どんなものなのか見てみることにした。

まずはiPadのお披露目の時にもJobs氏が使っていた「iBooks」。
琴線探査: iPadビデオのハイライトキャプチャー30連発! やはりiPadは自分のライフスタイルを変えそうだ

iBooksは標準アプリではなく、AppStoreからダウンロードする形のようだ。iTunesの音楽とは扱いが違う。独占と言われるのを避けるための配慮だろうか。

起動してストアに行くと、ハッキリ言って、それは期待を裏切るものだった。

まず第一に、日本語の本が見たところ全く無い。しかし、例えば「孫子兵法」や「論語」、「三国志」、「Robinson Crusoe」などはある。しかしこれらは、中国語だったり、英語だったりだ。

本自体はすでに19285冊もあるようだ。そこで、クラシックなものならあるかなぁと「夏目漱石」や「芥川龍之介」などのキーワードで検索するもヒットしない。これだけの数があるので、全てを確認することはできないけど、少なくとも思ったようなものは見つからなかった。

第二に、見たところ本を売っていない。見た限りだけど、すべて無料だ。有料のものは一つも見つからない。洋書でも、オライリーなどの本が買えたらいいなぁと思って探したけど無い。

アメリカではBarnes & Noble'sなど、有名な書店と提携したという話も聞いているし、おかしいなと思って調べてみたら、独自のアプリを出すつもりらしい。今の所、iPad用のアプリは無いようだ。
Barnes & Noble、「iPad」向け電子書籍アプリをリリース - CNET Japan

これはAmazonと同じだ。ということは、iBooksですべて統合されるわけではなくて、それぞれのアプリ上で買うことになるということだろうか。すると、デスクトップのiTunesの「ブック」はどういう位置づけになるのか・・・よく分からない。

とりあえず、キレイな画像カバーの「Winnie The Pohh」をダウンロードして見てみる。

デモでも見ていた通り、検索機能や、ページ送り、テキスト選択による辞書アクセスなど、インターフェースは素晴らしい。特にページをフリックした時のカールエフェクトは秀逸だ。本当にページをめくっている気になる。


ただ、文字の大きさの変更インターフェースはどうだろう。これは一般的な大きく、小さく、を選ぶ形式だ。文字の大きさが変わると、ページのレイアウトも変わる。


疑問なのは、なぜ得意のピンチイン・ピンチアウトではないのか?ということだ。「本」であるということを考えると、ズームインしてスクロールさせるという操作をさせたくなかった、ということだろうか。確かに、本を読むという行為の中で、スクロールというのは面倒なことだ。しかし、これは必ずしもユーザーニーズにマッチしないかもしれない。

iPadはその直感的なインターフェースと使いやすさから、高齢者にも注目を集めているようだ。その高齢者の中には、本を読む時に老眼鏡を使う人がいる。基本的に視力が弱いのだ。そういった場合、Safariのようなズームイン・ズームアウトを局所的に素早く使える事はメリットになるのではないだろうか。

標準アプリでないことを考えても、きっとこれから色々と改善を加えていくつもりなのだと思うけど、是非このあたりを検討していただきたいと思う。

ところで、何度か起動したらこんなことになった。「ライブラリ」へ戻るインターフェースすら表示されない(^^); iBooksはまだ、使いやすさどうこうを議論する以前の状況なのかもしれない。


結論として、現時点ではiBooksはイマイチ。しかし、まだまだ始まったばかり。これからに期待しよう。

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