日経14.06.08朝 芸術と科学のあいだ 17 鏡文字に込めた天才の思惑 福岡伸一 …ダ・ビンチの筆の特徴は、線が左上から斜め右下へと流れていることである。これは彼が左利きだったかららしい。 もう一つの際立った特徴は、文字がすべて鏡文字、左右反転で書かれていることだ… アイディアを盗まれないよう暗号化したのだという説があるが、暗号にしては簡単に解読されてしまう… ダ・ビンチは天才であり完璧主義者であると同時に、大いなる山っ気を持った人物でもあった。 いつも自分を売り込むこと、プランやアイディアを広めることを考えていた。そのためには何が必要か。マスメディアである。 ダ・ビンチの鏡文字は自分の原稿をいつの日か活版印刷するために意図された周到な準備だったのではなかったか。 日経記事より レオナルド・ダ・ビンチは過去の人物の中で最も尊敬する人物だ。彼は本当に何でも出来た。芸術も、科学も、工学も。まさに「万能人 (uomo universale)」。 レオナルド・ダ・ヴィンチ - Wikipedia 当然自分はダ・ビンチの足元にも及ばないが、いくつもの人工言語(プログラミング言語)を使うことができる。ひとつをマスターするのは大変だったが、ひとつマスターするとその他の言語にはかなりの共通点があるので、新しい言語を習得するのにそれほど時間がかからなくなったからだ。 いかに天才であったとしても生きられる時間は限られている。その限られた時間の中であれほどの多方面に渡る物事を習得できたのは、「すべてのものに共通する何か」を習得したからではないかと思うのだ。 自分の知る限り、その「すべてのものに共通する何か」を習得したのではないかと思える人物は、ダ・ビンチただ一人だ。 そのダ・ビンチの新たな側面を知った。山っ気というか、マーケティングにも興味があったようだ。 そのマーケティングには何らかのメディアが必要だ。やはり自分もダ・ビンチは活版印刷のために鏡文字を使っていた説に一票だ。 マーケティングへの興味という他にもう一つ根拠がある。ダ・ビンチが生まれたのが1452年。グーテンベルクの聖書が世界で初めて活版印刷でつくられたのが1455年。 グーテンベルク聖書 - Wikipedia つまり、ダ・ビンチが生きた時代は活版印
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