「ボクサー」 by ボナール。ボクサーとは、すべての「格闘する人間」の代名詞。

日経13.10.14朝 スポーツする身体十選5 スポーツ評論家 玉木正之

「どうしてボクサーになったのか?」…
「詩人にはなれない。物語を語るやり方を知らないんだ」…
ボクサーの誰もが、自らの身体を用いて物語を紡いでいることは事実である。
印象派と呼ぶには少々病的で現代的といえるボナールは、60歳を過ぎて描いた自画像に「ボクサー」と名づけた…
俺は誰だ?何をしてる?なぜ闘う?誰と闘う?何と闘う?なぜ強くなりたい?なぜ勝ちたい?何に勝ちたい?なぜボクサーになった?…
ボクサーは敵と戦う前に、まず鏡の中の自分と相対し、自分に向かって問いかけ、鏡の中自分を相手に格闘する…
ボクサーとは、すべての「格闘する人間」の代名詞…
オルセー美術館蔵…

日経記事より

ビジュアル的には好みではないけれど、すごく興味深い絵だとは思う。

老い、貧弱なボナールの自画像は、とてもボクサーとは思えない。しかしボクサーとは、すべての「格闘する人間」の代名詞。ボナール自身、60歳になっても格闘してたんだね。

自分も朝、シャワーを浴びた後に鏡の前で化粧水を振りかけながら、ジョブズと同じように「今日やりたいことは本当に俺がやりたいことか?あと1カ月の命だと宣告されてもやりたいことか?」と問うてはいるが、自分もボクサーのように「格闘する人間」だろうか?

この絵はウフィツィ美術館の自画像コレクションに追加されるべきだと思う。

琴線探査: 草間彌生氏の自画像は100年後の人々もショックを受けるだろう 〜 ウフィツィ美術館の「自画像コレクション」展に行く

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