iPhone4アンテナ問題の核心は「なぜそのクリティカルポイントを人が握りやすい場所に配置したのか」だ - iPhone4のアンテナ問題に対する記者会見ビデオまとめ
日本時間の今日の夜中に例のiPhone 4のアンテナ問題についての記者会見が行われた。その模様はすでにAppleのサイトにアップされている。
Apple - QuickTime - July 16 Press Conference
ビデオはまずこの歌から始まった。
「therockcookiebottom」さんはインディーズのミュージシャンで、色々な歌をアップしているようだ。
曲全体はマイナーな調子で、後半からは「iPhoneが気に入らないなら買うな。iPhoneが気に入らないなら返品すればいい。」と繰り返される。
別に彼個人がこう歌うのはどうということはない。しかし、これがAppleの記者会見の冒頭で流されるということは、これがAppleのメッセージだということになる。何という強気!そして何と強権的な・・・
しかし、よくある日本企業のお詫び記者会見のように、はじめからシンミリしてピリピリムードで始まるより、冷笑混じりだったとしてもこのように「ハッハッハッ」で始まった方がマシだとは思う。
で、本題に入る。
「We're not perfect. Phones are'nt perfect.」
プレゼンはこの言葉から始まる。この言葉だけで「ああ、ハードウェアに問題があったんだなぁ」と予想できる。
「'Antennagate' Not unique to iPhone 4」
Blackberry Bold 9700、 HTC Droid Eris、 Samsung Omnia IIを使って、握り方によって電波のバーが変化する実験をする。確かに、その通りだ。しかし、これらの機種は何気にとばっちりだなぁ(^^);
すごい設備とすごい人材でアンテナ問題に取り組んだ
17の無響室と18人の博士とエンジニア。そして$100 millionの投資。とにかく、スゴイ実験施設だ。つまり、それだけAppleは努力しているとおっしゃりたいのだろう。
「AppleCare」に入っている人でアンテナ問題に関して問い合わせた人は0.55%
そもそもAppleCareに入っている人はiPhoneユーザーの一部だし、みな分かっているからワザワザ問い合わせなかっただけだと思うけれど。
返品率
iPhone 3GSが6%でiPhone4が1.7%。ユーザーは満足度が高かった3GSよりもさらにiPhone4に満足している。つまり、アンテナ問題は大した問題ではない、とおっしゃりたいようだ。
call drops(通話切れ?)
iPhone 3GSと比べて通話切れは100回につき1回以下。トリッキーな統計だけど、細かい数字はともかく、iPhone 4のアンテナは優秀だということをおっしゃりたいのだろう。ふむ。
実際に、問題は存在する
Jobs氏は、データは問題が軽微であることを示しているけれども「そこに問題がある」という結論から言い逃れることはできない、とおっしゃっている。
「It's very hard to escape the conclusion that there is a problem.」 00:23:36〜
つまり、実際に問題があることを認めておられる。
対策・対応
たとえごく僅かでも問題のあるユーザーがいる限り、Appleはその全てのユーザーに対応するつもりである、と。
そこでまず、電波計測プログラムを修正してiOS 4.0.1を昨日リリースした。
Consumer Reportなどがいうように、アンテナ問題はケースを付ければ解決できる。そこで9月30日までにiPhone4を買ったユーザー全員にケースを無料で提供する。「Bumper」をすでに買っている人には払い戻し。「Bumper」だけだと供給が追いつかないので、他社製のケースも選べるようにする。
そして、壊れていない(undamaged)iPhone 4なら全額払い戻しに応じる。
「make sense?」うん。わかったよ。スティーブ。現状では最良の対応だと思います。
その他のお知らせ
・Proximity sensor 電波計測プログラムのさらなる改善か?
・白iPhone4リリースは今月、7月末
Appleはどのように決断をするか
「We love our users.」これからもユーザーを驚かせたり、喜ばせたい、と改めて強調。そのために決断するのだ、ということだろう。全てはユーザー指向であると。
Q&A
Q&Aは残念ながらカットされている。
まとめ:やっぱり、あのアンテナデザインは失敗だったと思う
ずっとJobs氏のプレゼンを聴いていると、その揺ぎ無い語り口と対応策によって、まぁそんなものかなぁと思えてくる。さすがである。
どのケータイだって電波の問題があることは理解できる。プレゼンにあった実験でも明らかだ。しかし、本当の問題はそこではない。本当の問題は「なぜそのクリティカルポイントを人が握りやすい場所に配置したのか」だ。
もしこのクリティカルポイントが、握られる可能性が低い下に配置されていたとしたら?他の機種もそれを考えて握られる可能性が低い場所に配置しているようだし、iPhone 3GSだってそうしているようだ。
Apple - Smartphone Antenna Performance
AppleのUIは常に人の心理面までも考えぬいてデザインされていると思う。しかし、なぜ今回だけ?おそらく、ハードウェアレイアウトの制約だったのだと思う。下にはマイクやスピーカー、ドックなどが配置されているし、左上や右上にも各種のボタンが配置されている。すると残されるのは・・・左下しか無い。
Apple - iPhone 4 - Design of the display, A4 processor, and more
これはつまり、当初本当に素晴らしいと考えていた「Stainless Steel Band」というデザインアイディアそのものが、非常に残念ながら、実は失敗だったのではないかと思う。
これが失敗だったか否かは、来年の今頃にiPhone 5がリリースされたときに同じデザインを踏襲しているか否かが証明してくれることだろう。
Apple - QuickTime - July 16 Press Conference
ビデオはまずこの歌から始まった。
「therockcookiebottom」さんはインディーズのミュージシャンで、色々な歌をアップしているようだ。
曲全体はマイナーな調子で、後半からは「iPhoneが気に入らないなら買うな。iPhoneが気に入らないなら返品すればいい。」と繰り返される。
別に彼個人がこう歌うのはどうということはない。しかし、これがAppleの記者会見の冒頭で流されるということは、これがAppleのメッセージだということになる。何という強気!そして何と強権的な・・・
しかし、よくある日本企業のお詫び記者会見のように、はじめからシンミリしてピリピリムードで始まるより、冷笑混じりだったとしてもこのように「ハッハッハッ」で始まった方がマシだとは思う。
で、本題に入る。
「We're not perfect. Phones are'nt perfect.」
プレゼンはこの言葉から始まる。この言葉だけで「ああ、ハードウェアに問題があったんだなぁ」と予想できる。
「'Antennagate' Not unique to iPhone 4」
Blackberry Bold 9700、 HTC Droid Eris、 Samsung Omnia IIを使って、握り方によって電波のバーが変化する実験をする。確かに、その通りだ。しかし、これらの機種は何気にとばっちりだなぁ(^^);
すごい設備とすごい人材でアンテナ問題に取り組んだ
17の無響室と18人の博士とエンジニア。そして$100 millionの投資。とにかく、スゴイ実験施設だ。つまり、それだけAppleは努力しているとおっしゃりたいのだろう。
「AppleCare」に入っている人でアンテナ問題に関して問い合わせた人は0.55%
そもそもAppleCareに入っている人はiPhoneユーザーの一部だし、みな分かっているからワザワザ問い合わせなかっただけだと思うけれど。
返品率
iPhone 3GSが6%でiPhone4が1.7%。ユーザーは満足度が高かった3GSよりもさらにiPhone4に満足している。つまり、アンテナ問題は大した問題ではない、とおっしゃりたいようだ。
call drops(通話切れ?)
iPhone 3GSと比べて通話切れは100回につき1回以下。トリッキーな統計だけど、細かい数字はともかく、iPhone 4のアンテナは優秀だということをおっしゃりたいのだろう。ふむ。
実際に、問題は存在する
Jobs氏は、データは問題が軽微であることを示しているけれども「そこに問題がある」という結論から言い逃れることはできない、とおっしゃっている。
「It's very hard to escape the conclusion that there is a problem.」 00:23:36〜
つまり、実際に問題があることを認めておられる。
対策・対応
たとえごく僅かでも問題のあるユーザーがいる限り、Appleはその全てのユーザーに対応するつもりである、と。
そこでまず、電波計測プログラムを修正してiOS 4.0.1を昨日リリースした。
Consumer Reportなどがいうように、アンテナ問題はケースを付ければ解決できる。そこで9月30日までにiPhone4を買ったユーザー全員にケースを無料で提供する。「Bumper」をすでに買っている人には払い戻し。「Bumper」だけだと供給が追いつかないので、他社製のケースも選べるようにする。
そして、壊れていない(undamaged)iPhone 4なら全額払い戻しに応じる。
「make sense?」うん。わかったよ。スティーブ。現状では最良の対応だと思います。
その他のお知らせ
・Proximity sensor 電波計測プログラムのさらなる改善か?
・白iPhone4リリースは今月、7月末
Appleはどのように決断をするか
「We love our users.」これからもユーザーを驚かせたり、喜ばせたい、と改めて強調。そのために決断するのだ、ということだろう。全てはユーザー指向であると。
Q&A
Q&Aは残念ながらカットされている。
まとめ:やっぱり、あのアンテナデザインは失敗だったと思う
ずっとJobs氏のプレゼンを聴いていると、その揺ぎ無い語り口と対応策によって、まぁそんなものかなぁと思えてくる。さすがである。
どのケータイだって電波の問題があることは理解できる。プレゼンにあった実験でも明らかだ。しかし、本当の問題はそこではない。本当の問題は「なぜそのクリティカルポイントを人が握りやすい場所に配置したのか」だ。
もしこのクリティカルポイントが、握られる可能性が低い下に配置されていたとしたら?他の機種もそれを考えて握られる可能性が低い場所に配置しているようだし、iPhone 3GSだってそうしているようだ。
Apple - Smartphone Antenna Performance
AppleのUIは常に人の心理面までも考えぬいてデザインされていると思う。しかし、なぜ今回だけ?おそらく、ハードウェアレイアウトの制約だったのだと思う。下にはマイクやスピーカー、ドックなどが配置されているし、左上や右上にも各種のボタンが配置されている。すると残されるのは・・・左下しか無い。
Apple - iPhone 4 - Design of the display, A4 processor, and more
これはつまり、当初本当に素晴らしいと考えていた「Stainless Steel Band」というデザインアイディアそのものが、非常に残念ながら、実は失敗だったのではないかと思う。
これが失敗だったか否かは、来年の今頃にiPhone 5がリリースされたときに同じデザインを踏襲しているか否かが証明してくれることだろう。
でも、プレゼン終盤の「We love users.」の下りは、ちょっとグッと来ました^^。
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