「良い現場」は日本に残せ 藤本隆宏 東京大学教授

日経10.02.17朝
・・・一連の戦略でほぼ一貫して軽視されてきたのが「日本の現場」である・・・雇用も付加価値も究極の基礎単位は現場である・・・健全な木なくして森は栄えない。国内に「良い現場」を残せない限り、経済再生はありえない・・・現場とは、人が人工物を操作し財・サービス(取引される人工物)を生む空間を指す。人工物とは設計情報と媒体の結合物であり、付加価値は主に設計情報に宿る。媒体が有形な製造業、無形なサービス業に関わらず、ものづくりとは「良い設計」の「良い流れ」を作り、国内外の顧客を喜ばせ、自らも成長や利益を得る経済活動を指す。つまり「ものづくりの現場」とは、顧客へ向かい設計情報(付加価値)が流れる空間・組織である・・・企業の自由が過ぎれば生活者は不安を抱くが、生活者の処遇ばかりを言えば企業は国外に脱出する。この不安定状態から脱するには、現場視点という第三の軸が必要だ・・・現場の能力構築と競争力向上こそが、企業収益と生活向上の長期的両立を可能にするのである・・・

ソフトウェア開発が「ものづくり」かどうか疑問に思っていたが、藤本教授の定義によれば明らかにものづくりだ。

また藤本教授の「ものづくりの現場」の定義を逆に考えると、付加価値を生み出せない空間・組織は「ものづくりの現場」ではないという事だろう。

「付加価値」という言葉は各方面でよく聞くが、これはポール・グラハム氏のいうところの「富」そのものだろうと思った。

結局、どんな大企業もひとり一人の人間から成り立っている。ということは、ひとりの人間を大事にできない企業は、その企業自身を大事にできないという事に他ならない。というホントに当たり前の事を忘れてしまう。

「現場の能力構築と競争力向上こそが、企業収益と生活向上の長期的両立を可能にする」ということもホントに当たり前の事だ。そう、それしかないじゃないか。結局、ひとり一人が地道に、日々懸命に向上を目指すほかない。

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