少女雑誌の衝撃十選 弥生美術館学芸員 内田静枝 9

日経09.11.13朝
・・・吉屋信子の小説「紅雀」(べにすずめ)。その初回の挿絵に,林唯一(ただいち)・・・この強情な主人公が昭和初期の乙女たちの心をつかみ,ファンクラブができるほどの大人気を博した。唯一の絵がその人気の一翼を担ったことは言うまでもない・・・

何か似たような構図が現代にも・・・そう,初音ミクだ。初音ミクもたったの一枚のパッケージデザイン画から,どれだけの音楽,映像,画像を生んでいるか分からない。

挿絵というのは,動画に対する写真のような価値があるのかもしれない。

普通に考えて,動画は写真よりも情報量がダンゼン多いことは言うまでもない。しかし,情報量の多さがそのものの本質をよく伝えているかというと,必ずしもそうではないだろう。

林唯一さんの挿絵は主人公たちの本質をたったの一枚の画で表現し,ファンたちはそこから動画をはるかに上回る量の情報を脳内で生成した,つまり無限に想像を広げたのだろう。

恐らく,その経験は動画から受ける刺激よりも刺激的だったに違いない。きっと脳内麻薬,ドーパミンがドバドバだ。それは熱狂的になるはずだ。

挿絵。恐るべし。

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