シネマ万華鏡 「ボヴァリー夫人」 人間の情念の奥深さ前面に

日経09.10.02夕
異形の傑作である。万人向けではない・・・見る者を圧倒する。制作当時,ソ連崩壊の真っ只中だったため,プリントは傷だらけ・・・映画史上ほとんど初めて,虚飾を排した即物的な性描写が実現された事だけでも,この映画は脅威・・・一つの画面の中に奥行きの異なる出来事を同時に納めたり,カメラワークやアングルも凝りに凝っている・・・悪趣味きわまる衣装やインテリア・・・音響設計も常軌を逸している。好き嫌いをこえて,トンデモない映画である。・・・★★★★★(映画評論家 中条省平)・・・
久しぶりに出た★5つ。渋谷のイメージフォーラムで公開されるというところもタダモノではない期待が。

先日,三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」という映画をテレビで見た。

非常に楽しめたのだが,「これは映画なのだろうか?」という疑問を持った。舞台という2.5次元の空間ではなく,映画セットという3次元空間で繰り広げられた演劇のような気がしたのだ。

では逆に,「これは映画だ」と思わせるものとは一体何なのだろうという疑問も出てきた。

この「ボヴァリー夫人」という映画では,一つの画面に複数の出来事を同時に納めるという手法など,この疑問に答えるヒントがあるような気がした。

コメント

このブログの人気の投稿

レオナルド・ダ・ビンチはなぜノートを「鏡文字」で書いたのか?

macでsmb(samba)共有サーバーに別名で接続(別アカウント名で接続)する方法

Google DriveにCURLでアップロードするには?