ユーザーの声は聞くべきだが、やりたいことはやるべきだ | やりたいことだけでは勝てない - 日経

日経10.03.31夕
・・・サムスン・・・快進撃・・・日本メーカーの存在感が低下・・・サムスンの強さ・・・顧客が本当に望んでいる製品を提供する力・・・日本企業・・・作り手側のこだわる「いいもの」づくりが優先・・・浅田真央選手がキム・ヨナ選手に敗れた・・・前人未到の難易度の高い演技構成にこだわった浅田選手と、技術難度は落としても高得点をもらえる演技をすることに集中したキム選手・・・新興国市場では・・・高価で過剰なスペックの日本製品が敬遠されがち・・・日本のものづくりも、自分がやりたい事だけやっていたのでは生き残れない時代に突入したことに気づく必要があろう。(東レ経営研究所産業経済調査部 チーフエコノミスト 増田 貴司)

高機能であればいいモノだという価値観は、日本でもとっくに古くなっていると思う。

つくられたモノが未熟な社会では高機能が価値になるが、成熟した社会ではシンプルで、なおかつある方向に特化した機能をもつことが価値となる。

それは例えば、ケータイに本当にワンセグが必要なのか?とか、そこまで高機能な画像編集ソフトが必要か?とかいうことだ。

ある人はこれを「必要なのは幕の内弁当ではなく、大きな鮭にぎりだ」と表現していた。

さらに良くないことには、市場が大きい新興国はまだ皆が皆カネをもっているわけではないのだ。この状況でムダな機能がついていて高いモノが望まれないのは当然だろう。

だからといって、客が求めるものばかりをつくっていても未来はないだろう。

ここで思い出すのは「革新的なモノをつくるのに、顧客の意見はいらない」というスティーブ・ジョブズ氏の言葉だ。そして革新的なモノは、多くの人々を惹きつける。それはiPhoneの成功を見ても明らかだ。

では、多くの人が求めるモノをつくるには、ユーザーの声を聞けばいいのか、それとも聞かない方がいいのか。

聞くべきだと思う。

ジョブズ氏は顧客の意見はあまり聞かないかもしれないが、まず自分自身が先端を走る非常にシビアな顧客であり、少なくともその顧客の声は十分に聞いているのだろう。

つまり、やりたいことはやるべきだし、自分が本当に欲しいと思うものをつくるべきだ。ただしポイントは、自分が、また顧客が、どれだけ欲しがるかを冷静に、客観的に分析出来るかどうかということだ。

そのために重要なのは、MITメディア研究所副所長の石井裕氏がおっしゃるところの「ビジョンの力」だ。ただし、石井副所長がおっしゃる「ビジョン」よりはもっと短いスパンを見通せるだけの「ビジョン」でいいだろう。石井副所長レベルの「ビジョン」はここでは壮大すぎる(^^);
琴線探査: 出すぎた杭は打たれない⑤ MITメディア研究所副所長 石井裕さん

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