2010年4月14日水曜日

法人税率と国際競争力は実は直接的には関係無いのでは? | 民主の成長戦略に提言 経済3団体 国際競争力強化狙う - 日経

日経10.04.14朝
日本経団連と経済同友会は・・・両団体とも財政再建に向け消費税率の引き上げを主張。企業の国際競争力を強化するため法人実効税率の引き下げが必要と訴えた。日本商工会議所も3月に提言を公表・・・

さっきネットニュースで気になることがあった。

鳩山政権が増税路線に転換? 財務省の思惑チラリ(産経新聞) - Yahoo!ニュース

・・・「税と財政出動によるお金の潤沢で安定した循環をもたらし、国民に安心感を与える」と語る菅財務相の本音は「デフレ脱却のための増税」。この強気の裏には「国民には増税に関して昔ほどアレルギー反応がない」という読みもあるという。(田端素央)

「国民には増税に関して昔ほどアレルギー反応がない」とは一体どういうことだろう?

確かにゆくゆくは消費税率の引き上げはやむを得ないと思っている。しかし、それはムダを絞り切った後だ。多くの国民もそう考えていると思う。
琴線探査: 消費税増税?OK。しかし、まずはお覚悟を見せていただきたい - 衆議院・参議院の運営費はいくらか?

なら、どうしてこういう読みが出てくるのか?日経の記事を読むと、どうやら財界がアレルギー反応どころか要望しているからだろうと予想できる。つまり、法人税を引き下げる代わりに消費税を上げろ。さらに言えば、企業負担を軽くして国民負担を重くせよ、ということだろう。法人税率の引き下げは必要かもしれないが、民主党の合言葉は「国民生活が第一」ではなかったか?まぁ置いといて。

その錦の御旗、つまり要望の理由は「国際競争力」らしい。

確かに日本の国際競争力は90年の1位から17位に後退していて、低下は明らかだ。
IMD国際競争力ランキング:科学インフラの強みを生かす法人税改革や市場開放の検討が急務 : 2009年 : Thinking TODAY : コラム : ニュース&オピニオン : 三菱総合研究所 - 政策・経済研究センター長 酒井博司

なら法人税率と国際競争力の相関関係はどうなのだろう?

「OECD Tax Database(データは2008年の税率)」によると、確かに日本は39.54%とトップで法人税率が高いが、アメリカも39.25%とほぼ同じくらい法人税率が高いようだ。
世界の法人税率 - WEB金融新聞

いや、まてよ。上の三菱総合研究所の記事の国際競争力の表では、アメリカがトップではなかったか?実際そうなのである。

つまり、これらの統計を単純に見る限り「法人税率と国際競争力の相関関係は直接的には無い」と言えるだろう。どうやら国際競争力低下の原因は他にありそうだが。

上の三菱総合研究所の酒井氏がおっしゃるには、

・・・しかしここでの「競争力」とは、「企業の活動を支援する環境がどの程度整っているか」「ある技術をもった集団が起業する場合、どの国に立地するのが得策か」という点で評価されている。いわゆる現時点におけるファンダメンタルズの強さを示す「経済力」や「国力」とはまったく異なる概念なのである。・・・

ということだ。では、アメリカは日本と同様に法人税率が高いにも関わらず国際競争力が高いというのは、一体どのように説明すればよいのだろう・・・

確かに法人税率の引き下げは国際競争力の強化につながる一つの方法だとは思えるが、本当に採るべき国際競争力強化の方法は他にあるのではないだろうか。

それとも、統計的には表れない、数のマジックのようなものがあるのだろうか。