現代は独自特性のフィルターを持つ人の出力がより価値を持つ時代 | リミックスはモダン芸術 音楽家 小西康陽さん - 日経

日経10.03.10夕
・・・リミックスという行為は音楽を客観視し、批評精神を込める行為だと考えている。既存の曲を解体し、独自の表現として編集し再構築する。その過程では、歴史観が求められる。・・・劇団「天井桟敷」・・・横尾忠則さんの描いた公演のポスター・・・それは宣伝広告として実用的でありながら、素晴らしいアートになっている。音楽でもあんなことができるはずだ、と・・・ポピュラー音楽には芸術性と実用性の両方が必要・・・アルバム「ATTRACTIONS!」・・・現代では、波形編集ソフトなどが登場して、誰でも気軽にリミックスができるようになった。だからこそ、逆に自分のフィルター、批評眼が問われる時代・・・原曲をよく理解して、よく知られた記号的な要素を取り出して編集、再構築する。それが僕の考えるリミックスだ。・・・

「純粋な芸術」というのがあるのかわからないが、いかにも「芸術です」というものより実用的である芸術の方が好きだ。

横尾忠則さんの作品も実用性を備えていたようだが、ロートレックもそうだったようで、小西さんとの共通点を感じる。
琴線探査: 影のポエジー十選 3 アーティスト 田名綱 敬一 「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」

3日に発売されたばかりのアルバム「ATTRACTIONS!」のAmazonでの評価も上々のようだ。要チェックだ。



特に「だからこそ、逆に自分のフィルター、批評眼が問われる時代」という言葉が響いた。

今の時代は、音楽に限らず、誰もが色々なことを簡単にできるようになった。例えばYouTubeのように映像を編集して公衆に流すという行為や、ブログのように自分の文章を公衆に流すという行為は、一昔前は一部の限られた人にしかできなかったことだ。

その「限られた人たち」がなぜ公衆に流す特権を持っていたかといえば、それは彼らが他の人とは違う特性のフィルターを持っていたからだろう。しかし、今はそのようなフィルターを持っていようといまいと、とにかく誰もが自分の音楽、映像、文章などを公開できる。

それはそれですばらしいことだが、だからこそ逆に、独自の特性のフィルターを持つ人の出力がさらに価値を持つようになったということだろう。

そして「小西康陽フィルター」の特性の一つは「原曲からからよく知られた記号的な要素を取り出す」ということのようだ。この「よく知られた」というところがポイントだ。ここがポップさと、ヒット率の高さの源泉だろう。

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