2010年7月15日木曜日

本の電子化や直接配信できるようになることが出版の未来なのだろうか。 | 村上龍氏、iPadに小説 出版に先行、直接配信 - 日経

日経10.07.14夕
・・・長編小説「歌うクジラ」を電子化し、紙の本の出版に先駆け、近く1500円で発売・・・映像や音楽も盛り込む。楽曲は音楽家の坂本龍一氏が新たに作曲・・・村上氏は「作家として出版の未来の姿を示したい」として出版社を介さずに直接配信・・・出版社の事業戦略にも影響を与えそうだ・・・まずは開発資金を回収できる5千ダウンロードをめざす・・・ソフトは村上氏がソフト会社と独自に開発・・・収入の3割をアップルに手数料として払う・・・

村上龍氏+坂本龍一氏のダブルドラゴンとキタ。おもしろそうな企画だ。

ところで「作家として出版の未来の姿を示したい」とはいかなる意味か。未来の出版は、出版社を排して作家が直接ユーザーに配信することだ、という意味だろうか。日経の電子版にも記事があるということで、見てみた。
村上龍氏「iPadで拓く小説の未来」 :日本経済新聞

登録が必要な記事なので引用は避けるけれど、やはり作家自身が写真や文章を編集して編集者を介さずにユーザーに直接配信することだと考えておられるように見える。本を電子化するのも出版の未来の一つの要素だと考えておられるようにも見える。もっとプログラムが簡単に組めるようになれば、とも。

その他にも興味深い部分があった。出版界はどうなるだろう?ではなく、出版界はどうしたいか、だろう?とか、AppStoreで配信するアプリにはJASRACに登録してある楽曲を使うのはNGだということとか。アプリ開発はグリオという会社と数人のチームで進めたそうだ。


出版社がどのような役割をしているのか詳しく知らない。配信や校正だろうか。しかし、単に書籍を配信するという意味だけなら、Appleが出版社かつ本屋になったということだ。

確かに、個人が出版社と交渉して書籍を配信することは難しい。しかしAppStore経由なら、個人でも出版できる可能性は高くなる。これは前進だ。

ただ、Appleには作品の社会的価値に関わらず、様々な理由で出版を拒否する権利があることも忘れてはいけない。AppStoreが言論や出版の場としてふさわしいかどうかは大いに疑問だ。


しかし、本の電子化や作家が読者に直接配信できるようになることが出版の未来なのだろうか。確かにそれもひとつだろう。まだよくわからないけれど、なんかそれだけではない気がする。