iPhoneアプリをAppStoreへの登録審査へ提出するには?(無料アプリ編)

無料のiPhoneアプリを登録審査へ提出するまでの手順をまとめておこうと思う。


事前準備

まず審査へ出す前に、かなり色々な情報や素材を集めておかなければならない。完全に動作するプログラムを書いても、まだiPhone開発者の仕事は終わらない(^^);

最低でもこれらは事前に用意しておくべきだと思った。入力時に考えながら入力したりしてまごまごしていると、セッションタイムアウトで入力した内容が消えてしまうから。

・作者名
・アプリ名
・アプリの説明文
・アプリが検索されるためのキーワード
・アプリの紹介サイトとURL
・アプリのサポートサイトとURL
・アプリのサポート用メールアドレス
・公開用に署名されたプログラムバイナリ(アイコン含む)をZIPで圧縮したファイル
琴線探査: iPhoneアプリを公開用に署名してビルドするには?
・AppSotre表示用512x512アイコン(.jpgなど)
・アプリのスクリーンショット複数枚

正直言って、無料アプリであるにも関わらずこの手間は相当なものだと感じた。PCアプリやWEBアプリのように、ネットにアップして終りでは済まない。やはり無料アプリといえども、自分もひとりのユーザーとして、開発者に対するリスペクトは決して忘れてはいけないと思った。

準備が整ったら、「iTunes Connect」にログインして登録審査の申請手続きを始める。


「iTunes Connect」にログイン

まずは「iTunes Connect」にログインする。


「iTunes Connect Developer Guide」をダウンロードしておく

そして下の方にある「Download the Developer Guide.」リンクで「iTunes Connect Developer Guide」のPDFをダウンロードしておく。これはもちろん英語。

少々古いものの、日本語版もあった。やはり大まかな内容を把握するにはネイティブ言語の方が読みやすい(^^);
iTunes Connect 開発者用ガイド」(iTunesConnect_DeveloperGuide_JP.pdf)


登録されているユーザー(Team Agent)を確認

ホームページの「Manage Users」を見ると、すでにAdmin、Legalロールのユーザーが追加されていることがわかる。これはDeveloper Programに登録した人のアカウントになっていた。また、このアカウントは「Team Agent:チームの代表者」と呼ぶそうだ。(iTunes Connect 開発者用ガイド p19)


「Manage Your Application」へ

ホームページから「Manage Your Application」へ進み「Add New Application」へ。


「Add New Application」ページ:iTunes Connect 開発者用ガイド p30

「Primary Language」主言語を選択。もちろん日本語だ。「Company Name」を入力。これがAppStoreでのアプリページの作者名となるらしい。


「Export Compliance」ページ:iTunes Connect 開発者用ガイド p31

暗号がらみのアプリは輸出規制があるらしく、ここでアプリが暗号がらみかどうかを答える。大体NOでしょう。


「Overview」タブ:iTunes Connect 開発者用ガイド p34〜

「Application Name」アプリケーション名を入力する。ここで決めた名前はRejectedもしくはDeveloper Rejectedされない限り編集できないようなので注意が必要だ。

「Application Description」アプリケーションの説明を入力する。プレーンテキスト。HTML不可。4000字以内。ここは工夫のしどころだろう。p120にもアプリケーションの説明を書くときのコツが少し書いてある。

・特徴や機能のみを書く
・キーワード一覧は書かない
・できるだけ「もっと見る」を出さない程度の文字数にする(390〜580文字)
・できるだけスクロールせずに見える程度の文字数にする
・改行を適宜入れる

「Do you want to limit your app to only run on devices with specific capabilities?」アプリを特定の機能を持つデバイスに限定するかどうかを選ぶ。YESを選択すると説明のリンクが表示された。リンクは新しいウインドウを開く。

もし限定する場合は、一度Xcodeに戻ってアプリの「プロジェクト名-info.plist」を編集する必要があるようだ。Keyには「Required device capabilities」が必要。これは追加されていなかったので追加した。追加すると勝手に配列型になった。あとはアプリが動作する必要条件に従って、「still-camera」「microphone」などをitem0、item1・・・のValueとして追加していく。「gps」が必要な場合は「location-services」も必要とのこと。

「Primary Category」でアプリのメインカテゴリを設定。「Secondary Category」はオプションらしいけど、追加の検索語として使われるため設定推奨らしい。すでにAppStoreにある同様のアプリを参考にカテゴリを設定した。「Games」カテゴリだけは特別のようで、「Subcategories」が表示された。

「Copyright」で「2010 〜 Inc」などと著作権情報を設定。著作権マークはAppStore側で追加してくれるらしい。

「Version Number」で「1.0」などとしてバージョン番号を指定する。数字とドットで表記し、「ビルド」などの言葉は含めない。

「SKU Number」でAppStore上でのアプリケーションのユニークIDを設定。英数字。提出後は編集不可。本当に適当な英数字を設定した。

「Keywords」でアプリが検索されるときのキーワードを設定。コンマ区切りで列挙。フレーズ可。100文字以内。新しいバイナリをアップする時のみ編集可なので注意。

「Application URL」でアプリケーションの詳細が書いてあるサイトのURLを設定。必須ではない。

「Support URL」でサポート用のサイトのURLを設定。これは必須。

「Support Email Address」でサポート用のメールアドレスを設定。必須。

「Demo Account - Full Access」でアカウントが必要なアプリでのフルアクセス権を持つアカウント情報を書く。審査チームのテスト用。

「End User License Agreement (EULA)」エンドユーザー向け使用許諾契約を独自に作る場合は「click here」リンクをクリックすると下の方に国のリストがたくさん出る。これらを適宜選択するようだけど、必要ないのでやらなかった。一度クリックしてしまうと、元に戻る方法が無いようなので、単なるお試しならやめた方がいい。デフォルトでは「standard EULA」が適用される。


「Ratings」タブ:iTunes Connect 開発者用ガイド p41〜

ペアレンタルコントロール用の設定だ。「Realistic Violence」「Sexual Content or Nudity」などの項目があり、それぞれの項目で「None」「Infrequent/Mild」「Frequent/Intense」のレベルを選ぶ。p107〜にも言及あり。


「Game Center」タブ:iTunes Connect Developer Guide p46〜

Appleの「Game Center」機能を使う場合に設定する。今回は必要ないのでスキップ。


「Upload」タブ:iTunes Connect 開発者用ガイド p42〜

「Application」でプログラムのバイナリ(.app)をzipで圧縮したものをアップロード。57x57のアイコン(.png)が.appの中に含まれている必要がある。プログラムのバイナリは後でアップロードすることもできる。

「Large 512x512 Icon」でPCでAppSotreで表示された時の512x512アイコン(.jpg)をアップロード。

「iPhone and iPod Touch Screenshots」でスクリーンショットをアップロードする。画像はjpg、tiff、png形式で320x480、480x320、320x460、480x300のいずれかのサイズ。ステータスバーは含んではいけない。最大で5枚アップロードできるようだ。

「iPad Screenshots」も同様。サイズは768x1024、1024x768、748x1024、1004x768のいずれか。

スクリーンショットのアップロードでは、アップロードした順番ではなく、一番最後にアップロードした画像が先頭になるようだ。ややこしい。


「Localization」タブ:iTunes Connect 開発者用ガイド p48〜

日本語(「Overview」で選択した主言語)のみの場合は必要ない。主言語以外の言語向けにローカライズされた「Overview」の内容をさらに追加したい場合は「Add New Language」する。試しにやってみると、すでに入力した内容がほとんど補完されていた。


「Pricing」タブ:iTunes Connect 開発者用ガイド p45〜

「Availability Date」で公開開始日を設定する。

「Price Tier」で販売価格を設定する。今回は無料なので「Free」を選択。

試しに「Tier1」を選択すると、すぐ右に「See Pricing Matrix」リンクが現れた。リンクをクリックすると別ウインドウで各価格帯(Tier)の各国での実際の価格と自分の取り分の表が表示された。日本円では、最低でも115円の値段をつけなければならないようだ。50円は無理なのね(^^); 最高はTeir85の115000円!こんなアプリあるんかいな?

「Or, you can select specific stores here.」で公開する各国のAppStoreを選べる。デフォルトでは全世界に向けて公開することになる。今回は日本限定なので、リンクをクリックした。すると公開可能な国のチェックリストがドバーっと出る。ワールドワイドだなぁ。今回は日本だけチェックした。まさにドメスティック(^^); チェック外すのは結構疲れる。


「Summary」タブ:iTunes Connect 開発者用ガイド p53〜

申請内容を確認するページ。「Localization」で追加した言語ごとに確認できるようだ。


「Manage Your Applications」ページ再び

以上、終了すると「Manage Your Applications」ページに自動的に戻る。今追加したアプリケーションのアイコンが表示されている。アイコンをクリックすると情報を編集できるようになっていた。


いやはや。今回もまた長いですな(^^);

コメント

  1. 大変参考になりました。
    現在(2012)でも有効なのでしょうか?
    見比べながらチャレンジしてみます

    返信削除

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