良い悪いは別として、とにかくJobs氏はWEB界における政治判断を下したんだなぁ | Thoughts on Flash - Steve Jobs
Thoughts on Flash - Apple
このJobs氏の文章は、今後のiPhone開発、さらには今後のWEB開発を考える上で非常に重要だと思うので、特に大事だと思う部分を抄訳してみる。
前文
・Adobeとはいい頃もたくさんあった
・PostScriptやLaserWriter、特にDTPの分野で協力したこともあった
・AdobeはAppleがビジネス的な理由でApp Storeを守ろうとしているというけど、実際は技術的な理由だ
・AdobeはAppleがクローズで、Flashこそがオープンだというけど、実際はその逆だ
First, there’s “Open”.(オープンでないのはFlashの方だろ?)
・Flashは100%プロプライエタリな製品である
・iPhone OSもプロプライエタリだけども、AppleはWEB関連技術はオープンであるべきと強く信じている
・iPhone OSはHTML5,CSS,JavaScriptのようなオープンスタンダードに準拠している
・AppleはWebKitをオープンソースにして、今ではMSを除いてGoogleを含むほぼすべてのスマートフォンに搭載されている
Second, there’s the “full web”.(Flashゲームは要らないし、ビデオコンテンツにもかなりアクセスできるよ)
・AdobeはAppleのモバイルデバイスはWEBにフルアクセスできないという。なぜならWEBにある75%のビデオはFlashだから
・AdobeはそのほとんどがiPhone OSでも再生できるH.264フォーマットで提供されている事を言わない(そうなのか?)
・WEBにある約40%のビデオはYouTubeにあるが、YouTubeのアプリはプリインストールされている
・つまり、iPhone OSユーザーは実際、多くのビデオにアクセスできている
・AdobeはiPhone OSでFlashゲームをプレイできないことを言うが、正しい
・幸いにもiPhone OSには他のプラットフォームをはるかに上回るほどの数のゲームがある。しかもかなり無料のものもある。(つまり、Flashゲームなんてイラネ、と)
Third, there’s reliability, security and performance.(Flashはセキュリティー、信頼性、パフォーマンスに欠ける)
・SymantecはFlashをセキュリティ的に最悪だと取り上げた
・FlashはMacがクラッシュする最大の原因だ(そう思ったことはないけど)
・iPhone OSにFlashを加えることで、セキュリティーや信頼性を失いたくない
Fourth, there’s battery life.(Flashはバッテリー食い)
・モバイルデバイスでビデオを再生するなら、ソフトウェアではバッテリーを食うのでハードウェアでデコードしなければならない
・Flashは最近H.264をサポートしたが、現在のところ、ほとんどのFlashビデオサイトは古い世代のソフトウェアデコーダーを使っている(FLV,VP6のことか?)
・H.264で再エンコードして公開すれば、FlashまったくナシでSafariやChrome, iPhone OSのデバイスでも再生できる(IEはどうなんだろ?)
Fifth, there’s Touch.(Flashはタッチスクリーンにマッチしない)
・FlashはPCでマウスを使うことを前提にデザインされているので、タッチスクリーンにはマッチしない(それは言えてる)
・多くのFlashサイトはタッチスクリーン用に書きなおすことになるだろうが、それならHTML5などを使えば?(確かに、結局書き直すことになるだろうなぁ)
Sixth, the most important reason.(最も重要な理由:iPhone OSには先進的で革新的で最高のiPhone OSアプリを)
・Flashはタッチスクリーンデバイスに対応していない(そうかな?)
・AppleはFlashの使用をWEBから少なくしたいと考えているが、Adobeは逆だ(当然だと思うけど)
・開発者がサードパーティーのツールやライブラリに依存すると、それこそサードパーティーの決定になすがままにされることになる(AppleはOSの最新機能をすぐに使ってもらいたいらしい。ところでiPhone開発者はAppleのなすがままですが。)
・クロスプラットフォーム開発ツールはさらに状況を悪くする
・Flashはクロスプラットフォーム開発ツールであり、Adobeの目的はベストなiPhone OSのアプリを作ることではない
・Mac OS Xが出て10年ほど経つが、Flashは最近やっとCocoaを完全採用した。イタいほど遅すぎる。(確かにFlashで日本語のインライン入力が出来ないのはイタかった)
・Appleの動機はシンプルだ
・開発者に先進的で革新的なプラットフォームを提供したい
・開発者にはダイレクトにそのプラットフォームに立って欲しい
・世界で見たこともないような最高のアプリを作って欲しい
Conclusions.(結論)
・FlashはPC時代のもので、モバイル時代では様々な面で少し足りない
・アプリの数、ビデオの数などから言っても、iPhone OSの現状はもはやFlashが必要ないことを示している(多少不便はあるけど)
・これからはモバイルデバイス上でもPCでもHTML5が勝つ(そう思う)
・AdobeはAppleを非難するより、HTML5のツールの開発に集中した方がいいかもね(そう思う)
全てを納得できるわけではない。しかし、良い悪いは別として、とにかくJobs氏は決断を下した。これはWEB開発における、ひとつの政治判断だ。日本の政治家も是非見習ってもらいたいものだと思う。
Googleは現実をとって、Flashを採用した。ユーザーとしてはありがたい面もあるけど、今後のWEB開発のために、最終的にはユーザーのために、本当に良いことなのだろか。Flashをより長く延命させ、WEB界がいつまでもAdobeに頼ることにならないか?Flashで書かれている広告など、HTML5で書きなおせばいいんじゃ?でもIEがなぁ。といっていると、先へは進めないのだ。どっかで何かを捨てなければ。
とにかく、Jobs氏のこの捨てる勇気は賞賛に値する。しかも、これは単なる無茶な勇気ではないだろう。ひっくり返す自信があるからだ。
OK, Steve. 納得できないところもあるけど、iPhoneにはもうFlashは無くてもいいや。iPhoneでのメインはアプリだから。
このJobs氏の文章は、今後のiPhone開発、さらには今後のWEB開発を考える上で非常に重要だと思うので、特に大事だと思う部分を抄訳してみる。
前文
・Adobeとはいい頃もたくさんあった
・PostScriptやLaserWriter、特にDTPの分野で協力したこともあった
・AdobeはAppleがビジネス的な理由でApp Storeを守ろうとしているというけど、実際は技術的な理由だ
・AdobeはAppleがクローズで、Flashこそがオープンだというけど、実際はその逆だ
First, there’s “Open”.(オープンでないのはFlashの方だろ?)
・Flashは100%プロプライエタリな製品である
・iPhone OSもプロプライエタリだけども、AppleはWEB関連技術はオープンであるべきと強く信じている
・iPhone OSはHTML5,CSS,JavaScriptのようなオープンスタンダードに準拠している
・AppleはWebKitをオープンソースにして、今ではMSを除いてGoogleを含むほぼすべてのスマートフォンに搭載されている
Second, there’s the “full web”.(Flashゲームは要らないし、ビデオコンテンツにもかなりアクセスできるよ)
・AdobeはAppleのモバイルデバイスはWEBにフルアクセスできないという。なぜならWEBにある75%のビデオはFlashだから
・AdobeはそのほとんどがiPhone OSでも再生できるH.264フォーマットで提供されている事を言わない(そうなのか?)
・WEBにある約40%のビデオはYouTubeにあるが、YouTubeのアプリはプリインストールされている
・つまり、iPhone OSユーザーは実際、多くのビデオにアクセスできている
・AdobeはiPhone OSでFlashゲームをプレイできないことを言うが、正しい
・幸いにもiPhone OSには他のプラットフォームをはるかに上回るほどの数のゲームがある。しかもかなり無料のものもある。(つまり、Flashゲームなんてイラネ、と)
Third, there’s reliability, security and performance.(Flashはセキュリティー、信頼性、パフォーマンスに欠ける)
・SymantecはFlashをセキュリティ的に最悪だと取り上げた
・FlashはMacがクラッシュする最大の原因だ(そう思ったことはないけど)
・iPhone OSにFlashを加えることで、セキュリティーや信頼性を失いたくない
Fourth, there’s battery life.(Flashはバッテリー食い)
・モバイルデバイスでビデオを再生するなら、ソフトウェアではバッテリーを食うのでハードウェアでデコードしなければならない
・Flashは最近H.264をサポートしたが、現在のところ、ほとんどのFlashビデオサイトは古い世代のソフトウェアデコーダーを使っている(FLV,VP6のことか?)
・H.264で再エンコードして公開すれば、FlashまったくナシでSafariやChrome, iPhone OSのデバイスでも再生できる(IEはどうなんだろ?)
Fifth, there’s Touch.(Flashはタッチスクリーンにマッチしない)
・FlashはPCでマウスを使うことを前提にデザインされているので、タッチスクリーンにはマッチしない(それは言えてる)
・多くのFlashサイトはタッチスクリーン用に書きなおすことになるだろうが、それならHTML5などを使えば?(確かに、結局書き直すことになるだろうなぁ)
Sixth, the most important reason.(最も重要な理由:iPhone OSには先進的で革新的で最高のiPhone OSアプリを)
・Flashはタッチスクリーンデバイスに対応していない(そうかな?)
・AppleはFlashの使用をWEBから少なくしたいと考えているが、Adobeは逆だ(当然だと思うけど)
・開発者がサードパーティーのツールやライブラリに依存すると、それこそサードパーティーの決定になすがままにされることになる(AppleはOSの最新機能をすぐに使ってもらいたいらしい。ところでiPhone開発者はAppleのなすがままですが。)
・クロスプラットフォーム開発ツールはさらに状況を悪くする
・Flashはクロスプラットフォーム開発ツールであり、Adobeの目的はベストなiPhone OSのアプリを作ることではない
・Mac OS Xが出て10年ほど経つが、Flashは最近やっとCocoaを完全採用した。イタいほど遅すぎる。(確かにFlashで日本語のインライン入力が出来ないのはイタかった)
・Appleの動機はシンプルだ
・開発者に先進的で革新的なプラットフォームを提供したい
・開発者にはダイレクトにそのプラットフォームに立って欲しい
・世界で見たこともないような最高のアプリを作って欲しい
Conclusions.(結論)
・FlashはPC時代のもので、モバイル時代では様々な面で少し足りない
・アプリの数、ビデオの数などから言っても、iPhone OSの現状はもはやFlashが必要ないことを示している(多少不便はあるけど)
・これからはモバイルデバイス上でもPCでもHTML5が勝つ(そう思う)
・AdobeはAppleを非難するより、HTML5のツールの開発に集中した方がいいかもね(そう思う)
全てを納得できるわけではない。しかし、良い悪いは別として、とにかくJobs氏は決断を下した。これはWEB開発における、ひとつの政治判断だ。日本の政治家も是非見習ってもらいたいものだと思う。
Googleは現実をとって、Flashを採用した。ユーザーとしてはありがたい面もあるけど、今後のWEB開発のために、最終的にはユーザーのために、本当に良いことなのだろか。Flashをより長く延命させ、WEB界がいつまでもAdobeに頼ることにならないか?Flashで書かれている広告など、HTML5で書きなおせばいいんじゃ?でもIEがなぁ。といっていると、先へは進めないのだ。どっかで何かを捨てなければ。
とにかく、Jobs氏のこの捨てる勇気は賞賛に値する。しかも、これは単なる無茶な勇気ではないだろう。ひっくり返す自信があるからだ。
OK, Steve. 納得できないところもあるけど、iPhoneにはもうFlashは無くてもいいや。iPhoneでのメインはアプリだから。
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