2010年2月21日日曜日

パノラマ消費考現学 開放的な街並みの原風景 石鍋仁美

NIKKEI MAGAZINE 10.02.21
埼玉県入間市に「ジョンソンタウン」という住宅街・・・米軍ハウス、平成ハウスとも賃貸住宅だ。家主を磯野紹介という。・・・風呂とトイレが一体で洗い場がないなど当時の日本人にはなじみにくい間取りだったため、芸術家の卵らに安く貸していた。・・・米軍ハウスには根強い人気・・・若い建築家からは「貴重な文化遺産。壊すべきではない」・・・自分の手で再生すると決めた・・・今の住民はデザイナー、音楽家、教授、医者、写真家など。都市経済学者のリチャード・フロリダ氏が「クリエイティブクラス(創造者階級)」と呼ぶ・・・価値観に共通するところがあり「ご近所関係」は良好・・・近年、家で商売をしたい人が増え、区画を限り認めることに・・・店主と客の対話がある店だ。趣味を通じたコミュニティーの可能性を感じさせる。・・・私たちの生活は米軍ハウスに追いついたのか。電気製品など「物」の豊富さは疑いない。それでは街全体で生みだす明るく開放的な空気は。それを支える地域のつながりは。限りある住空間を楽しむセンスは。・・・

「クリエイティブクラス」という言葉があるのを初めて知った。ふむ。

映画などでしか見たことはないが、記事のジョンソンタウンの写真を見ても、やはりアメリカ式の街並みは広々として開放的だ。しかし日本の街並みはどうだろう。とにかく狭い。

なぜ日本は狭く感じるのだろうか。もちろん物理的に狭いこともあるが、その理由の一つは狭い土地でもできるだけ多くの住空間を得ようと土地のギリギリまで建物を建てることと、もう一つは塀ではないかと思う。

小さい頃、家の塀を作っていた時に疑問に感じたものだ。家自体が外と中を分けているし、建物から20cmしかないようなところに大金を使ってまで塀を建てる意味があるのか?と。

塀は基本的には家を守るためのものだろう。戦国時代では外敵から、沖縄の家の塀は主には雨風から家を守っている。しかし大した雨風もなく平和な場所でなお塀が必要な理由は?心理的な防御だろうか。「うちはうち、おたくはおたく。関係ない。」という物理的表現に思えなくもない。

こう考えると、文字通り家に塀をつくることがコミュニティー崩壊の一つの原因なのかもしれないと思えてくる。

アメリカの街並みと日本の街並みを比べた時に見えてくるキーワードは「効率」と「閉鎖性」だ。街並み一つ見ても、どのような考え方を持った人たちが住んでいるのかわかるものだ。

アメリカ式がいいか、日本式がいいかはわからないが、自分はアメリカ式の方が好きだなぁ。結局、何を豊かと考えるかという価値観の問題になるのだろうが。

「ジョンソンタウン」一度行ってみたいものだ。