2010年2月9日火曜日

影のポエジー十選 8 アーティスト 田名綱 敬一  ピカソ「ゲルニカ」

日経10.02.09朝
ピカソ・・・祖国スペイン・・・スペインの古都ゲルニカをナチスドイツとファシスト・イタリア連合空軍が空爆・・・爆撃の報道に衝撃を受けたピカソは「ゲルニカ」の製作に着手する。空爆という残虐な殺戮行為を生々しくリアルに描くのではなく、心の深層に潜む怒りや悲しみを、ごく日常的なモチーフを使って象徴的に表現したのである。・・・「ゲルニカ」で実験したのは色彩と影の効果・・・ほとんどがモノクローム・・・「ゲルニカ」は、直接的な目撃者の記録ではない。苦しみ、恐怖という人間の永遠につづく心の葛藤を影の姿を借りて図像化した・・・・

「ゲルニカ」は中学の頃に文化祭か何かで皆で真似して描いたことがあるので印象に残っている絵の一つだ。

その時は多くの人も同じように感じた事があると思うが「この落書きみたいなのが芸術?」と思っていた。

しかし、今、改めて見てみるとどうだ?とんでもなくクールに見えてきた。

なぜ、ろくろ首のようなものや万歳した人が暗闇の中に浮かんでいるのか?なぜ彩度がほとんど無いのか。なぜここまで抽象化したのか。

宮崎駿監督が「人が苦しんでいる事を表現するために、安易に苦しい表情を描くな。人が本当に苦しい時は、逆に無表情になるものだ。」というような事をおっしゃっていたのを思い出した。

間接的な表現の方が、その表現を相手が理解した時に伝わる力が強くなるという事なのかもしれない。