信頼と孤独の狭間で We are all alone - アンジェラ・アキ





この曲はアンジェラ・アキさんのアルバム「ONE」の一曲。原曲はBoz Scaggsさんの同名曲だ。

全編ピアノとボーカルのみ。このスタイルは武道館弾き語りライブや「ONE」というアルバム名に見るように、彼女の原点そのものだろう。彼女のピアノとボーカルの他には何も要らない。

彼女のバージョンの歌詞は原作の日本語訳ではなく、ほぼオリジナルといっていい。もちろん原曲の歌詞も良いが、彼女のバージョンはもっと好きだ。

悲しみから自分を守る方法
色々身に付けて来たが
未だに 一人だ

気を許して笑う事が
出来なくなったのは
信じる事を恐れているから

自分の小さい頃の写真を見ると、自分の事ながら「なんていい笑顔なんだ」と思う事がある。果たして、今の自分はこのように笑えるのだろうか。いや多分、昔のようには笑えまい。

大人になるに従い様々な経験を積むうちに、世の中には様々な悲しみがある事を知るようになる。その一つの結果として人を心底には信用できなくなる。どうせいつかは離れる時が来るのだ。ならば、はじめから深入りするのはやめよう。そう思うようになる。

美輪明宏さんの「腹六分」という人付き合いの原則を思い出すが、これは大人の処世術としては正しいと思う。現実は人を強く信じれば皆が幸せになれるほど甘くはないし、信じ過ぎてダメージが大き過ぎると、先へ進めなくなるからだ。とにかく、人は先へ進み、生きなければならない。

しかし、人を信用しない限り孤独が続く。孤独も怖いが、かといって人を信用するのも怖いのだ。そしてこの微妙なジレンマの中で笑うから微妙な笑顔になる。人間の心と体というのは本当に正直なものだ。

自分の場合は幸運なことに、心底信頼できる生涯の伴侶を得た。きっと長く続くであろう人生の中で、これからどれだけ自分が傷つこうとも、少なくとも伴侶の前では微妙な笑顔をせずに済む。

この曲を聴く度、この幸せがいかに奇跡的なことであるか、そして、どれだけ伴侶に感謝しなければならないことなのかを強く思い出す。

しかし歌というものは、これだけの文章、いやそれ以上のものをたった数秒、数行で表現してしまうのだ。歌は、音楽は、やはり素晴らしい!!

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