電子書籍リーダーを売りたいのか?本を売りたいのか?それが問題だ | 社説 1台の電子端末でどんな本も読みたい - 日経

日経10.12.12朝
・・・電子書籍元年・・・顧客の囲い込みに力を入れるのは当然だが、読者の使いやすさに配慮した市場づくりが必要だ・・・色々な本を読むのに複数の端末を持たねばならないのは不便で、電子書籍自体の魅力が失われかねない。では日本で電子書籍市場を立ち上げるにはどうすべきか。出版物を電子化する際の書式は政府が標準化を促した。次に重要なのは配信技術の標準化だ。・・・著作権管理にも新たな技術が要る・・・1台の端末でどんな本も読める仕組みづくりが必要である・・・

その通りだと思う。

現在のところ電子書籍と言ってもいろいろで、PDF、ePub、XMDFや、アプリそのものが電子書籍だったりする。まだまだ標準が固まっていない。だからこそ、今がんばって自分が標準になろうとするのは理解できる話だ。

しかし現状をみると、誰かが標準となって統一されるというより、それぞれが独立して続いていく感じがする。となれば、ユーザーとしては不便極まりない。

例えば、もしインターネットにHTMLという標準がなかったらどうなっただろうか。間違いなくここまで広まらなかっただろう。そして、広まらなかったら市場は立ち上がらないし、ユーザーは次第にそっぽを向くようになるだろう。そうなれば、長い目で見て結局困るのは、電子書籍リーダーを開発しているメーカーだろう。

そうならないためには、書籍データや配信技術、著作権管理の標準化は必要だと思う。ここで業界をまとめていくのは政治の役割だけれど、今の政府にはとうてい期待できない。

となれば、今一番現実的な方法をとっているのはAmazon(kindle)かもしれない。Amazonの電子書籍はWebでもiPhoneでもAndroidでもそのデータを活かせる。

前はAmazonはkindleを売るためにiPadやiPhoneと真っ向から立ち向かうかと思われたが、iOSで動くアプリを出してしまったばかりか、Android用も出してしまった。非常に賢い。Amazonは基本的に機器メーカーではなく本屋さんなので、思い切った発想の転換ができたのだろう。

それは電子書籍リーダーを売りたいのか本を売りたいのかの違いだ。そしてユーザーが欲しいのは、リーダーではなく本であり、本にある情報だ。

結局、Amazonが標準になっていくのかなぁ。

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