次世代スパコン 12年の完成困難に 予算凍結「世界最速」不透明

日経09.11.13夕
・・・米国でも政府が次世代スパコンの開発資金を負担。中国なども開発を急いでいる。現在,日本最速のスパコンは世界22位。米国が1,2位を独占する・・・スパコンは・・・自動車や航空機の設計・・・遺伝情報の解析・・・新薬開発などに応用が期待される・・・NECと日立製作所は業績低迷を理由に・・・撤退・・・文部科学省などはNECに損害賠償を求める訴訟を準備中だと明らかにした・・・「クラウドコンピューティング」も台頭。1台ですべてを担うスパコンの意義は今後,薄れるとの指摘も・・・

確かに,クラウドがあればCPUパワーという意味でのスパコンの意義は薄れるかもしれない。しかし,時間が経てばスパコンの技術はクラウドで使われる安いコンピューターに反映され,結局はクラウド自体のパフォーマンスアップにつながるはずだ。

そもそも,これはスパコン22位の日本が言うことではないだろう。スパコンで1位,クラウドで1位のアメリカが言うのならわかる。

日本は単にムダを省くという目的で,スパコン競争,IT技術競争から脱落しようというのだろうか・・・

これはきっと,単なるIT技術競争からの脱落のみを意味しない。バイオなど,膨大なCPUパワーを必要とする産業のパワーダウンを招くだろう。ひいては,日本の経済全体にも影響することにもなりかねない。

ポイントは,現実にスパコンが必要か必要でないかだけではない。スパコンは象徴だ。F1のようなものだ。日本のブランドや産業成長力の象徴とななりうるものなのだ。

しかし高度な技術の開発には時間がかかる。だから目先のムダを省くことばかりを考えて大局を見誤れば,取り返しのつかないことになる。

この不況のおり,民間企業が撤退せざるを得ないのは当然の話で,責められることではない。むしろ「景気が悪くても国家戦略として支援するので,将来の日本のためにがんばってください!」と頼むべきで,追い打ちをかけて損害賠償を請求するなど,もはや最低としか言いようがない。

きっと日本のIT技術者のヤル気が相当萎えたのではないかと心配だ。こんな時に萎えさせてどうする?奮い立たせてくれ!

確かにムダは省かなければならない。しかし,それだけでは単なる事務であって政治ではない。国民に夢や希望,ロマンを与えることこそ,政治にしかできない事なのではないだろうか。

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