70作目は若い連中と一発録音 ジャズサックス奏者 渡辺貞夫

日経09.09.02夕
最近の音楽の録音は・・・別々に音を録っていくのが当たり前だ。・・・後でミキサー・・・が音を作り直す事ができる。ビバップの時代、・・・「せーの」で録音・・・緊迫感・・・空気感や温かさ・・・ミュージシャンもそれぞれが音量やバランスを考えて、演奏するものだ。僕もそうだけど、音楽を贅沢に作ってきた時代があった。・・・そういうのに飽きちゃった。・・・サックスのキーが折れて・・・録り直そうと思えばできたけど、そのままにした。色づけなしの素の音を聴いてほしいから。・・・
うーむ。まったくその通りだと思う。以前に自分が書いていた事をより具体的に言うと、こういう事だったんだ。

音楽はテクノロジーの導入によって得たものもあるが、失ったものの方が多いというか、大きいと思う。

1人ですべてを演奏する場合もあるが、おおかた複数の人間で演奏する場合が多い。そこにはミュージシャン同士のプレイとプレイを通したコミュニケーションというものがある。いいミュージシャンが集まると、あるミュージシャンのいいプレイに触発されて他のミュージシャンもいいプレイをするという「上昇スパイラル」が生まれる。

別録りをすると、当然この「上昇スパイラル」は失われる。せいぜいモニターを通しての音とのバーチャルなコミュニケーションによる僅かな「上昇スパイラル」がある程度だろう。

つまり、この「上昇スパイラル」がその「失われたもの」の一つだ。

特に自分の場合はこれが音楽の核だと思うので、いかに曲が良かろうがプレイヤーの技量があろうが音質がよかろうが、これがなければただの「音」だ。なるほど、そういうことだったんだ。

彼もきっとそういう事を言いたいのだと思う。70作目にして、もう一度一発録りに戻ることによって音楽の原点に戻ろうという事なのだろう。

しかし、73歳にして70作目ということは、1年に1枚以上のアルバムを作ってきたといういうことで・・・なんと精力的な方だろう(^^);

少なくとも自分の知るインディーズミュージシャンは、彼以上にたくさんアルバムを出していかなければならないはずなのに、色々な事にこだわりがあるようで1年に1枚ミニアルバムを出せばいい方・・・

CDのパッケージがどうとか、バーコードがどうとか、配信がどうとか、音質がどうとか・・・そんなの関係ないんだよなぁ。今はテクノロジーの進歩で素人でも安く、昔のプロ並みの音が録れるようになったわけだから、バンバン録ってCD焼いて売っていけばいいのに・・・

コメント

  1. CDねぇ。なんだかもうメディアはいらないなぁ。データでいいです。その代わりタグきちんと入れておいてください、アルバムアートも。

    と言う風に自分は感じちゃいますね、もはや。

    以前取り上げていたviBirthなんか、利用するといいんじゃないかと思うんですが。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

レオナルド・ダ・ビンチはなぜノートを「鏡文字」で書いたのか?

macでsmb(samba)共有サーバーに別名で接続(別アカウント名で接続)する方法

Google DriveにCURLでアップロードするには?