アイヒマンスタンダード「息子のヒョンヌ」

お笑い芸人のアイヒマンスタンダードさんは、自分の中では今、一番実力のある芸人さんということになっている。

言葉の使い方、間の取り方、パターン化の妙などプロだなぁと感じる点がたくさんある。





「みなさんが欲しがってるヤツ」0:17

確かにいつも待ってます(^^);この時のライトさんを見ても、明らかに「今日は何を言うんかな?」と思いっきり待ってる事がわかる。ライトさんのその後の笑いは「図星★」との笑いだろう。

こういう一言が出てくるのは、常にちゃんとお客さんの反応を注意深く見ている証拠だ。彼はライトさんの反応も計算に入れてこの台詞を入れたのだろう。

どのような仕事でもお客さんの反応を注意深く見る事はプロの基本。それを笑いにまで転化できる才能があるわけで、素晴らしい芸人さんといわざるを得ない。


「キムチの漬け方が達人クラスに達したと思えっ」0:25

この台詞だけ聞くと別に面白くはない。ポイントは「思えっ」の発音のタメと例のポーズ。彼は毎回必ずこのパターンを守ることで笑いを引き出している。

このパターン化、シリーズ化はネーミングの世界でも高等ワザとされており、ヒットの一つの要素と考えられている。

一発屋で終わる芸人さんが多い中、シリーズ化のワザをうまく使える彼は、このネタだけでも相当長く生き延びられる可能性が高い。


「お父さんはな、日雇いであってもドンずべり芸人ではないスムニダ!」1:15

日雇いドンずべり芸人と言われても完全否定はせず、半分だけ否定するところに笑いのエッセンスがある。これが分かる彼は、決してドンずべり芸人であろうはずがない。


「すいません。ちょっと自尊心を傷つけられましたので」1:26

「自尊心」という少しばかり大げさな言葉で、正直に、素直に心境を語ってしまうところにも笑いのエッセンスがあるようだ。


ショートコント「チヂミの穴」から「韓国のバックダンサーのノリツッコミ」1:34

中盤でショートコントを2本やるのも彼のパターンだが、ここも重要なポイントだ。ここは最後のオチのために必ずスベる事が目的なので、ここで強烈にスベればスベるほど最後のオチでの笑いが爆発する。天才か?


ヒョンヌと話す直前の表情とノドゴックン 2:51

ここで彼は何も語ってはいない。しかしライトさんの反応はどうだろう?おもしろくてたまらないという反応だ。

これがまさに、前に書いた「人を笑わせるには、笑わそうという目的を強く持ちながらも、笑わそうとしないという相反する方向にもっていかなければならない」の典型例だ。


素晴らしい。

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